黄金暦84年 11月、はじめての冒険から本日まで戦い抜いてきたメイさん、今回の依頼はリザードマン討伐依頼でした。暦は黄金暦89年2月。 うっそうと茂る森の中へ、踏み込みますは6人の冒険者。面子を見回して名無しさんが居ないことに安心し、ですがリザードマンである事が分かっていて「信頼できる」情報という事はそれなりに敵も強いということ。油断は出来ないのでした。 余裕があれば先日拾った「極めて出来の良いショートボウ(攻撃力:137)」を装備して敏捷力やら器用度を鍛えたい所なのですけれども、その余裕も無さそうなので、普段どおりに光の魔法書を抱えて冒険に赴きます。 →リザードマン討伐依頼 二つ目の部屋に踏み込んだ途端、警報が鳴り響きました。 どかどかと重い足音がして、リザードマンが現れます。 咄嗟の動きに鋭さを欠いた冒険者たちは前哨戦で不利な状況に追い込まれ、壁際からの反撃となりました。 それでも練達や上級者の称号を得たつわもの達です、一度猛攻を開始すればあっさりと敵を下したのでした。 部屋の二つの扉の片方から歩みを進めると、すぐに次の部屋へ辿り着きました。 しかしそこには先客が。 羽の生えた小悪魔、インプです。 尋常でないスピードから、手練れであると分かります。 また、先程の戦いの直後であることもあり、その疲れも抜け切っていない事が攻撃を緩めてしまい、先程のように一撃の下で、というわけにはいきません。 それなりに攻撃を受けながらも、戦いに勝利し、宝箱を発見しました。 メイさんが開錠を試みましたが開きません。 強い敵が居るという証です。 メイさん的には喜ぶべき事のはずですが、インプとの戦いに手間取ったこともあり、少し胸騒ぎを覚えていました。 先程インプと戦った部屋は行き止まりだったので、リザードマンと戦った部屋まで戻って、別の道を進みます。 大きな部屋を抜け、T字路を過ぎてしばらく進み、小振りの部屋へ。部屋の隣にもまた同じような大きさの部屋があり、宝箱を発見しましたが、やはり鍵が。 メイさんはこちらも開く事が出来ませんでした。 そこからまたさらに進み、再びT字路を抜けた曲がり角。 カチ、というごく小さな音。 罠だ、と気付いたのは既に仲間の足に深々と虎バサミが食い込んだ後でした。 深い傷を負ってしまった仲間に肩を貸しながら、一行は探索を続けます。 通路の先に部屋があり、その部屋の奥には、さらに通路が続いています。 ごく短い通路の先に一回り大きな部屋があり、床で怪しげな物体がうごめいていました。 ウーズです。 不意打ちを仕掛けてきたウーズに冒険者達は浮き足立ち、戦闘でもイニシアチブを取れません。 此方の攻撃も中々決まらず、少なくない被害を受けた中、殆ど力押しのようにしての勝利。 部屋からの道は二本。 こっちにしよう、と言ったのは誰だったか。 その部屋は通路の突き当たりの場所にありました。 熟練のリザードマンを連れた、リザードマンキング。 爬虫類の眼がぎろりと此方を睨みます。 それは、不意打ちでした。 キングが得物を振るいます。近くに居た仲間の肩口がざっくりと裂け、赤いものに塗れました。 倒れてしまった仲間は、そのままぴくりとも動かなくなりました。 先程罠で足をやられた仲間に熟練のリザードマンが突っ込んでいきました。危ない、という声は、盾にも鎧にもなりえず。 あのとき、自分が罠を見つけていれば、こうはならなかったのだろうか。 そんな思いがふと頭をよぎりました。 ぼうっとするな、叱咤の声が仲間から飛びます。 仲間が倒れ、敵の数より此方の数が少なくなってしまった今、やるべき事は唯一つ。 逃走。 それでも、最後にメイさんは振り返ってリザードマンキングに杖を振りかざしました。 奔った光はリザードマンキングを捉え、けれど、その厚い鱗に阻まれて、ごくわずかな傷しか与えられないまま──。 キングが口の端に笑みを浮かべるのが、やけにはっきりと見えました。 メイさんは唇を噛みながら背を向け、只管に走りました。 ……覚えていなさい、私は、いつかあんたを……。
|
<< 前記事(2008/02/13) | ブログのトップへ | 後記事(2008/02/18) >> |
タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
---|
内 容 | ニックネーム/日時 |
---|
<< 前記事(2008/02/13) | ブログのトップへ | 後記事(2008/02/18) >> |