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zoom RSS 森:マハロ村の春の嵐

<<   作成日時 : 2008/05/14 11:04   >>

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【ニューラの日記】
5月14日。
朝起きたら、ものすごい雨だった。
雨なんてものじゃなくて、雷雨。ピカッとあたりが一瞬明るくなっては、どどーんとおなかに響くような音が降って来る感じ。
外に出るのはおっくうだったけど、昨日一日、村のこと何もできなかったから、お花とかも枯れちゃってるんじゃないかって思うし。
……はぁ。
ユーウツだなぁ。
わたし、みんなの役に立ちたいのに。
 
とりあえずベッドを降りて扉を開け、郵便物をポストから取り出そうと──
「うぉーい! こらそーんっ!」
野太い声。
「へ?」
ポストのすぐ近くに立っていたのは、モサキチだった。
薄暗い風景の中に、やけに明るいイエローの毛並みがよく目立つ。
雨粒がびちびち当たっているモサキチの頭の後ろに、またぴかっと稲光が走った。
……私は寝ぼけた頭を整理する。
まず……わたし、こらそんなんて名前じゃない……いやいや、違うってそうじゃないってば。ぶんぶん頭を振ってもう一回状況を理解しようとした。
わたし、モサキチに何か貸してたっけ?
もしくは、何か借りっぱなしにしてた?それで取り立てに来たとか?
でもこんな雨の日に傘も差さずに、しかも今7時過ぎたばっかりだよ?
どうしてあなたがここにいるの?

モサキチはニヤリと笑って、わたしに走り寄るとこう言った。
「今日っておめぇの誕生日だったよな?」
「……あ……」
わたしはどんな顔をしてたんだろう。モサキチはひげの生えた口元を一瞬への字に曲げると、
「おいおい……」
ため息を一つついた。
「忘れるワケねぇだろ。
一番のマブダチがこの世に生まれた日だぜ、水くせぇな」
うん。そうだね。そうだったね。私の目がぎゅっと熱くなった。
来てくれたのが嬉しくて。
こんな朝に、こんな天気に。
傘も差さずに。

「贈り物だってこの通り、ちゃーんと用意してきてるってばよ!
ブレンダと、リッキーと、ジャンと、フォアグラのヤツとで、あり金はたいて買ったんだ」
わたし。
ぽかーんと、口を開けたまま。
みんなが?
信じられない。
「そらよ!受け取ってくれ!」
無造作なくらいにひょいと目の前に差し出されたそれを、慌ててしっかりキャッチした。大きな、ケーキの箱。
私の好きな、街で一番大きなケーキ屋さんの包み紙にくるまれて。
「どうでぇ、こらそん……」
「ん?なに?」
「……うれしいか?」
……ばか。
うれしくないはず、ないでしょ。
それとも、わざわざ言わせる気?
でも、そんな減らず口を叩く余裕もなくて……口を開いたら、そのまま涙までこぼれてしまいそうで。
私はただ黙って、うん、と小さく頷いた。
「ヘヘッ、そうかい!」
まんざらでもない顔のモサキチ。
「まぁ……その……なんだな……」
「何よー」
なんだか言いよどんで居るようなモサキチに、口を尖らせる私。モサキチはついっと顔を上げて言った。
「これからもよろしくたのむよ、こらそん!」
「……こちらこそ」
うん、ちゃんと笑えた。
モサキチも口の端に笑みを浮かべて、照れ隠しだろうか、足早に走り去っていった。


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