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zoom RSS 転記:ゾンビサバイバルの結末 その2

<<   作成日時 : 2012/12/31 08:46   >>

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76日目-2

ヘリポートを高台から眺め、道を下って行くと、ラボの看板が出た施設を見つけた。
「誰かいませんか」
声をかけると、人がいた。生きている人間だ、久しぶりの。
詳しい話はできなかったが、兵器系の研究所だったという。
まったくきな臭い街だ。
銃なんかがあれば強化できますよ、と言われたが、そんなもの持っちゃいない。
だが「ちょっと待ってください」と声をかけ、ネットワークにラボのネタを流すと、案の定強化権を譲ってくれ、という人物が現れた。
特に館に向かう連中には、武器が欠かせない。戦闘時のダメージを軽減する新薬なども、一時はネットワーク内で高騰していたという。
本来であれば声をかけた相手の持ち物しかやらないんですよ、と研究者にたしなめられながらも、こちらの手がふさがっていることやらで頭を下げ倒してなんとかOKを貰う。

HP43()/110 食料26()/100 特殊:機械の体(食料の消費さらに-1)新薬効果(戦闘ダメ-1)覚醒(ゾンビ戦闘で食料+1) 同行者すばしっこい少年 アイテム:バイク  フラグAABB


77日目
手帳に77日目、と書くのを覗きこんでいた少年が、
「ラッキーセブンが二つもあるんだから、いいことがあるといいね」
と言った。
「まあ、そうだね……ん?」
ごつん、とドアに何かが当たる音。ノックではなく、体ごとぶつかっているような。うああ、と呻き声が聞こえた。ちくしょう、ゾンビだ。
その日のアジトは廃屋だった。ドアもおんぼろで、長くはもたない。
ろくな武器もない。
でも。
部屋を見回して作戦を練り、少年に伝えた。

みし、と音がして、ドアが壊れ、次の瞬間ゾンビが入ってきた。
うあああ、とよたよた入り込んできたのが運の尽き。
今だ、と大きな食器棚を倒した。
みちゃ、ごきっ、とまた音がするが、こんどの音は湿った音だ。
ゾンビは動かなくなった。
やったね、と少年と親指を立てて祝いあう──直後、少年の顔色が変わった。
背後で、ガシャンと盛大にガラスが砕ける音。
何事かを把握する暇もなく何かが背中にのしかかる。
まあ、こんなことをするんだから敵に決まっている。ゾンビであろうと、なかろうと。
少年が何か泣き喚きながらそれを棒で叩いている。
こっちは必死で振り払おうとしているがバカみたいな力だ。
ただ、手ごろなガラスの破片があったので、それを奴の腹に後ろ手で叩きこんだ。
解放される。
奴はのた打ち回っている。しかし息の根を止めるにはこちらのダメージが大きすぎる。
「逃げるぞ、少年!」
二人で逃げた。

計画的につくられた都市はどこもかしこも同じような風景に見える。
方位磁針も地図もない。
いつも通りの行き当たりばったりでたどり着いたのは──

あのマークのある銀色の建物だった。

壊れた入口をくぐり、誰もいない廊下を抜ける。
動きを止めた機械の横を通り、壊れていないガラス扉の向こうへ。

ヘリポートがあった。



脱出する前にできることがあった。
よく見かけるサバイバーが死にかけていた。
多分小石一つ投げて当たったら即死するレベル。
彼のセーフハウスを訪れ、声をかける。
死んだ魚のような眼をしていた。
同行者を失って以来、自分は復讐鬼だ、一匹でも多くゾンビを殺して死ぬんだと息巻いていたが、死神の指が喉にかかった今は、いつ死ぬのだろうとそればかりを気にしているようだった。
銀色のUSBはもう一つ持っていて、ヘリポートの簡略地図もあった。
差し上げますよ、と言った時のぽかんとした顔。
いい年をした大人の男がぽかんとした顔を見るのは痛快だ。
直前に、自分はもうだめだから、と、同行者二人と別れたらしい。
ヘリポートで二人に追い付いて一緒に脱出した、という話を聞いたのは、後になってからのことだった。
いつもなら売買以外の取引はめったにしないから、フラグの代金に食料を、と考えなくもなかったけれど、自分も脱出する身だから欲張ったって仕方ない。

もうひとつ、やれることがあった。
一度脱出してまたこの地獄に戻ってきた物好きなサバイバーがいて、そっちは子供を拾っていた。
そのサバイバーにフラグと子供を抱き合わせ販売して脱出させたのは他ならぬ自分だったのだけど、その縁でちょっとコンタクトを取ってみた。
バイクと引き換えに、子供をくれないか。
もうこの街から出るから。
彼は覚えていて、子供をこちらに託してくれた。ただしバイクは不要という。
これから館に向かうのに、取り回しづらいと。
確かにあの場所では、動けば動くほど罠にハマることも多そうだ。
ならばと、子供の代金として食料を持てるだけ押し付け、その子を──目と足が不自由な子供の手を取った。
これで、やり残したことはもうないだろう。
帰ろう──平和な日常へ。



自動操縦のヘリに乗り、新しい子の顔を拭いてやる。
よく見たら女の子だった。辛い体験をいくつもしたのだろう、ほとんどしゃべらないので、一見ではわからなかった。
目も足も、外の世界なら治療手段があるはずだ。
少年はずっと口を開けて窓に張り付いていた。
何時間かして、少年の「あっ」という声で目を覚ます。
いつの間に寝てしまったんだろう、と思いながら外を見て、ため息が漏れた。
地上に光があふれている。
街だ。生きている、街だ。
道路をライトのついた車が走っている。
高いビルがそびえ立ち、その窓は一枚だって壊れていない。
女の子が、ぎゅっと手を握りしめてきた。
ヘリはゆっくりと光の海へ降りてゆく。


……ただいま、そしておかえり。



77日目=最終日  ★脱出★  HP38()/110 食料7()/100 特殊:機械の体(食料の消費さらに-1)新薬効果(戦闘ダメ-1)覚醒(ゾンビ戦闘で食料+1) 同行者すばしっこい少年 目と足が不自由な子供 アイテム:なし フラグAB

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